今年も「希望荘作品展」に、多数のご出品を頂き、ありがとうございました。希望荘関係者と共に、心より感謝いたします。今回の作品展応募総数の内訳は、個人の部に134人の方々から148点、団体の部が17団体となりました。
昨年実績の127人148点、18団体と比較しますと、ほぼ横ばいの数字ですが、一年前と異なり新型コロナウイルス感染症がほぼ一段落してきた状況もあり、「伸び伸びとした明るい作品が集まった」という印象を受けました。内容的にも引き続き高いレベルを保ち、応募者・各団体の皆さんの積極性や意欲的な活動を肌で感じることができました。
まず、個人の部について審査の経過と結果をご報告します。今年も絵画・書・写真・工芸・手芸等多方面の分野に、個性豊かな作品が集まりました。審査の先生方からは「大型出品作が減り、こぢんまりとした作品が増えたが、より強く独創性が高まった」「趣味を生かしながらその中で新たなチャレンジをする力が見受けられた」「花、友人、家族、動物などをテーマにした作品が多かったが、どれもデザイン性の高いものに仕上がっている」「日常生活をしっかりとらえて、楽しさにあふれていた」など、多様な感想が相次ぎました。
個人の部で最優秀賞を受賞された荒尾 篤子(あらお あつこ)さん、おめでとうございます。荒尾さんの作品は、「半そでカーディガン」でした。編み物の知識がない私は「視覚に障がいがある中でどうやって編まれたのか分からない」というのが正直な感想で、大変な作業だったと拝察しました。審査員の先生からは「実に細やかで丁寧な仕上がりとなっており、圧倒された」と声が上がりました。
荒尾さんの作品と同等の出来栄えと評価されたのが、梅田 聡一郎(うめだ そういちろう)さんの「似顔絵2枚」でした。誠に繊細な表現で、知人お2人の豊かな表情をとらえていました。そこで、審査員一同で協議して、最優秀賞に匹敵する作品として「審査員特別賞」を差し上げることになりました。おめでとうございます。また、この他に優秀賞14点が選ばれましたが、いずれも「優れた作品ばかりで、来年の出品が楽しみ」と、審査後の先生方からの感想が述べられていました。
次に、団体の部の審査結果です。今回も各団体の特色が出た作品が出品されましたが、最優秀賞は「障害者支援施設 ゆめの里」の作品「ゆめ」に決まりました。作品は、缶のプルタブや、ペットボトルのキャップを素材にした大胆な構成でした。長期にわたる構想・作業の中で、創意工夫に富み、洗練された作品に仕上がりました。審査員の評価も「一致団結した姿を感じる」と高いものがありました。また、夏の作品展示を意識してか「花火」をテーマにした作品が、今年も「競演」となりました。恒例の行事のようで、審査する側も楽しい時間でした。来年も、皆様の創意工夫にあふれた素晴らしい作品をお待ちしています。
作品展審査会委員長(希望荘運営委員会委員長) 川本 浩右
希望荘運営委員会
- 川本 浩右 (希望荘運営委員会委員長)
- 多門 文雄 (熊本市身体障害者福祉協会連合会会長)
- 西 惠美 (熊本市手をつなぐ育成会会長)
- 宮田 喜代志 (熊本市心の障害者家族会会長)
- 園田 尚美 (慶誠高等学校教諭)
- 星子 和徳 (熊本市社会福祉事業団常務理事)